私の部屋は、何年も前からゴミ屋敷でした。仕事のストレス、失恋、そして元来の面倒くさがりな性格。全ての負の要素が絡み合い、私の部屋は足の踏み場もない、悪臭漂う牢獄と化していました。友人からの誘いも断り続け、誰にもこの惨状を見せられないまま、私は社会から、そして自分自身の人生から、静かにフェードアウトしていくような感覚の中にいました。そんなある夜、眠れずにスマートフォンの画面を眺めていて、偶然「くらしのマーケット」というアプリを見つけました。藁にもすがる思いでダウンロードし、「ゴミ屋敷 片付け」と検索すると、そこには驚くほど多くの業者の顔写真と料金、そして口コミが並んでいました。絶望の中で、初めて具体的な「出口」が見えた瞬間でした。口コミを読み漁り、料金を比較し、私は一人の店長が運営する小さな業者に惹かれました。プロフィール写真の笑顔が優しそうで、口コミには「依頼者の気持ちに寄り添ってくれた」という言葉が溢れていたからです。震える手で、部屋の惨状を伝えるメッセージを送ると、すぐに「大変でしたね。大丈夫ですよ、一緒に片付けましょう」という温かい返信が。その一言で、私は涙が止まらなくなりました。作業当日、来てくれたのは写真通りの優しい笑顔の店長でした。彼は私の部屋を見ても眉一つひそめず、「さあ、やりましょうか!」と明るく声をかけてくれました。作業は驚くほど手際良く、ゴミの山の中から、私が失くしたと思っていた母の形見の指輪を見つけ出し、「これ、大切なものでしょう?」とそっと手渡してくれました。ただゴミを運び出すのではなく、私の失われた時間と尊厳を取り戻してくれるような、そんな作業でした。全てのゴミが消え、がらんとした部屋に光が差し込んだ時、私は新しい人生のスタートラインに立てた気がしました。かかった費用は約8万円。それは、私の人生を買い戻すための、あまりにも安い投資でした。くらしのマーケットでの出会いが、私に一歩踏み出す勇気をくれ、私の人生を確かに変えてくれたのです。
くらしのマーケットがゴミ屋敷だった私の人生を変えた日